あたりまえのことですが、建物を建てたい、リフォームしたいという人がいて、私に設計を依頼されたら仕事がスタートします。
その際、建物が合法的で地震や台風や火事に強いのは設計条件として必須ですが、加えて私は以下を大切にしています。
1 室内空気を汚染する工業化学物質は使わない。
2 塗装、接着剤、シーリング材、防水材、既調合左官材などは出来るだけその成分を調べ、安易な使い方をしない。
3 国産材を適材適所に使う伝統木構造を採用
4 出来得るかぎり100km圏内の建材、木、石、土、砂、紙、布、竹、などを使う。
5 適時にメンテナンスしやすいデザインで長持ちする建物を創る。
6 住む人の健康を害さない、安全な室内環境を創る。
結果、人にやさしく地球に負担をかけない建物になります。
伝統木構造について。
御承知のように木は燃えます。薪も炭も燃料ですから。
しかし、建築に使われている木は表面から最大4cm燃えるとそこで炭化し、芯は燃え残るのです。
15cm角の柱ですと11cm角が残るので、建物が倒壊 しない仕組みです。
地震や風などの横からの力にも柳に風のようにしなやかに緩やかにゆれて、やり過ごします。
たとえ、柱が傾いても、たくさんの部材に支えられて、ぺちゃんこにつぶれません。
よく古い家が倒壊した写真を見ますが、たいてい、あれは柱の足元がシロアリや腐食によってだめになっていることが多いのです。
国産材を使えば、日本の山林を守り、水源地を守り、 自然を守ることになるわけです。
CO2削減とか何とか言わなくても、日本の伝統技術は完全な循環型のシステムになっているのですから。