靜水舎 一級建築士事務所
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NO.28 エコロジストの挑戦(5) 「明日の庭」のエディフルガーデン トゥリーズ

ジューンベリーとブルーベリー

今年の5月の末はジューンベリーの実がたわわに実り、庭に出るたびに熟した実を口いっぱいにほおばりました。リビングの前にあるためか、野鳥も遠慮してあまり食べていなかったので、かなりの収穫となりました。
5本ぐらいの株立ち(太い幹一本ではなく、根元から細めの幹が複数立ち上がる樹形のこと)の高さ1.8m位の小ぶりな樹ですが、4月、サクラが咲いた後すぐに、白いひらひらと縮れた花が枝いっぱいに咲き、あっという間に散りました。花のあと、だんだん赤くなる実をずいぶん長い間楽しみました。 お砂糖で甘く煮て、ブリザーブとしてガラス瓶で冷蔵庫に保管し、ヨーグルトと一緒に食べました。ちょっとタネが口に触りますが、気にしない気にしないの境地で、鈴なりの赤い実の枝が風にゆらゆらそよぐのを思い出しながらいただきました。

ジューンベリー
ジューンベリー

ブルーベリー
ブルーベリー

ジューンベリーの花のちょっとあと、5月初めになるとかわいいベル型の白いけれども、ちょっと紅をさしたようなブルーベリーの花が咲きはじめます。グリーンだった小さい実が順繰りに青く熟していくのを見るのは待ち遠しくもありました。表面に粉が吹いて、青い色が濃くなってきたら食べごろです。
近頃は近所のお家にも軒並みブルーベリーがあって、「おいしそうですね」が梅雨から初夏の挨拶になっています。人気のないところに植えられたブルーベリーは野鳥のFeast(フィースト/ご馳走いっぱいの宴会)です。
ブルーベリーはだんだんに熟すので、いっぺんに沢山収穫はできません。熟したものから、そっと採ってすこしずつ冷蔵庫にためて(冷凍庫でも可)、ジャムやブリザーブをつくることができます。近所のお庭の広い家ではブルーベリーの太い樹を5、6本育てています。きっと、あのちょっとすっぱい森の香り、青紫のジャムやゼリーをいっぱいつくるのだろうなーと思います。


くわ

アケビ


クチナシ

日本の野山や農家の庭先にある小果樹は魅力的

エディフルガーデンにあると楽しい小果樹・・ここではできるだけ、日本の野山に普通に生えていたり、農家の庭先にある小果樹を取り上げてみたいと思います。北海道のように冷涼なところでしか育たないものではなく、また、沖縄や台湾など暑いところでだけ育つものでもない、標準的な日本の風土に育つものを紹介したいと思います。とはいえ、近頃の異常気象や温暖化で、ちょっと日本の風土も判別がむずかしくなってしまいましたが。


ウグイスカズラ


ブドウ


スグリ

小果樹の応用範囲は広くて豊か

結局、どんな木も自分が生えるに適した場所にあると元気で少々虫にたかられても、ちゃんと花を咲かせ、実をならすことができるのです。日本の山野にごく普通に生えていて、エディフルガーデントゥリーとなる木はまだまだあります。


キンカン


グミ

例えば、ガマズミとその仲間は花がきれいで、赤い実がかたまりになってつきます。ハナイカダは葉っぱの真ん中に花が咲いて、黒い実がつきます。キイチゴは梅雨の頃、山吹色のイチゴのような実を枝もたわわにつけます。サンザシは白い小花を春一番に咲かせ、小さい甘酸っぱい実がなります。イヌビワは11月頃に雌株につく実が食べられます。ニワトコは薬用植物で、秋に赤い実がかたまって熟し、果実酒にします。ハシバミは英語でヘーゼルナッツ、クリやクルミのように大きくならないので生垣にすることもできます。

木ではないのですが、浅草のほおずき市でも有名なホオズキも庭の多年草の下草として、夏、花のない時期にランタンのような濃い橙色の実をつけ、黄緑色の葉とコントラストが美しいのです。もちろん熟した実は食べられます。
ほかにも、いろんな気候風土をもつ細長い日本のことですから、まだまだここにあげた以外にも小果樹と呼ばれるものがあるはずです。垣根にしたり、エスパリエ仕立てにしたり、根締めに使ったり、壁面緑化に使ったり、小果樹で応用範囲も広く楽しめる庭がつくれると思います。


クコ


サルナシ


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