靜水舎 一級建築士事務所
ホーム掲載記事INDEX > my garden

NO.34 エコロジストの挑戦(11) 

地表を緑のカーペットでおおうグランドカバープランツを植えましょう

グランドカバーとは?

グランドカバーとは読んで字の通り、地表面を密におおうことです。草丈を低く保つことのできる植物であれば、低木、草本、芝類、ササ類、コケ類、シダ類、何でもグランドカバーになります。耐陰性の山野草や低木類を、群生させたり寄せ植えをする日本庭園の下草と呼ばれるものは、古来より現在までグランドカバープランツの中心的存在です。また、木の根元や石のまわりに低木、草本を添える植栽を根締めといい、これもグランドカバープランツです。

地表を緑のカーペットでおおうグランドカバープランツは、目に優しいだけでなく、ころんだときにやわらかい植物によって怪我をしにくい、雑草がはえにくくなる、土が風で飛ばない、ぬかるみが防げる、雨水の浸透がよくなる、庭の微気候の緩和により省エネ効果がある、などなど優れものです。

ジュウニヒトエ

シソ科多年草。日本原産の種類はキランソウ、ジュウニヒトエなどです。日向、日陰どちらでも育つ。湿り気のあるやわらかい土を好む。園芸種のアジュガにはグリーンから紫の葉色に白やピンクの混じった種もある。

キジムシロ

バラ科多年草。草原に普通に見られる。4.5月に5弁のはっきりした黄色い花を咲かせる。マット状に緻密に地面をおおう。同属のポテンティラには花の色がさまざまな園芸種がある。

ルブス・カリシノウデス

バラ科キイチゴ属。葡萄性常緑低木。イチゴの花に似た白い花と真っ赤な実をつける。冬にはグリーンから赤銅色のグラデーションで見事な紅葉をみせる。

ディコンドラ

ヒルガオ科多年草。原産地はウルグァイ。代表種は日本から熱帯アジアに自生するレペンス種(アオイゴケ)。アオイゴケは葉の色が緑だが、最近は茎葉が銀白色の軟毛に覆われたセリケア種がシルバーリーフプラントとして広く出回っている。多少の踏圧にはへこたれない。

イブキジャコウソウ

シソ科小低木。ハーブの仲間のクリーピングタイムによく似ている。水はけのよい礫層に生える。ピンクの花とともに全草強い香りがするので、人の手に触れやすいレイズドベッドのふちに植えると楽しい。

ツボクサ

セリ科多年草。薬用植物の壷草。肌のかゆみをとり、やけどを治す効果がある。葉を摘んでミキサーにかけ、漉して、蜂蜜、砂糖を加えて飲む。夏に冷やして飲むとさわやかな味のグリーンジュース。

グランドカバープランツの植え方

まず、自分の庭のある地域の植生にあったグランドカバープランツを探すことが大事です。なるべく数種類の植物を混植して、同じ種類の植物を広い場所に単植しないようにします。植物を選んだら、植えようとする植物の形や生長速度によって異なりますが、家庭の庭では3年後ぐらいの完成を目指して粗に植えましょう。1㎡あたりの植栽密度の目安は小型草本で20本です。

 

グランドカバープランツのメンテナンス

1.刈り込み

低木は花の後すぐに刈るのが無難です。草類も刈り込んで緻密な状態を保ちます。目安として、7月の梅雨明け、10月の秋の長雨明け。

2.ツルの間引きと切除

歩道にのびたツルは足にひっかかったりするのでいつでも切ります。

3.除草

植え込み後しばらくは、すきまが多く雑草が生えやすいので、樹皮チップなどで雑草防止のマルチングが必要です。

4.追肥

ほおっておいても育つ植物がグランドカバープランツですが、葉の色が黄色くなったり、生長が悪くなったりしてきたときは肥料を与えます。目安は2~3年に一度。

5.病害虫

基本的には、地域植生にあったものは病害虫に強いのですが、病害虫を広げないためにも混植を心がけ、夏場は蒸れないように間引き、剪定をします。

6.補植
カキドオシ、アジュガのようにツルを伸ばして増えていく植物の中にはデッドセンターがおこるものがあります。デッドセンターとは植え付け後、数年して植物が繁殖していくにしたがって中心部が枯れこんでみっともなくなる部分のことです。この部分はよく耕し、有機質や無機質土壌改良剤を加えて苗を新たに補植します。

カキドオシ

シソ科多年草。薬用植物の連銭草花。花の時期に陰干ししたものを煎じて服用。風邪、咳止め、強壮薬になる。

サギゴケ

ゴマノハグサ科多年草。白と紫色(ムラサキサギゴケ)の花がある。湿った場所によく生える。世界中さまざまな環境に分布。春に可憐な白と紫の花が混ざったサギゴケのジュータンはたいへん美しい。

ヒメツルソバ

タデ科多年草。ヒマラヤ原産。日当たりのよい石垣のようなところに野生化しているのをよくみかける。花期は長く6~11月、ピンクの金平糖のような愛らしい花。

ヘビイチゴ

バラ科多年草。4月頃に黄色の花をつけ初夏に砂糖をまぶした飴玉のような実をつける。実は毒ではないがおいしくない。

 

 


↑ページの先頭へ

Copyright (C) 2004 靜水舎.All Rights Reserved.